【検証】ゲイバレした男性が25年来の友人から罵詈雑言を浴びせられ断交させられる悲劇……は本当なのか?創作なのか?

先日、Twitterで大きく話題になったツイートがありました。それは1日で3万RTを超え、多くの議論を呼んだツイートで、その日もっとも注目をあびたことは間違いありません。

その内容というものは……

25年来の友人にゲイであることがバレてしまい、とんでもない暴言をぶつけられて断交させられた、というものです。

実際に画像を見てみるとわかるのですが、これが想像を遥かに超えるとんでもない暴言の嵐……。セクシャルマイノリティであるLGBTに対して迫害する「正常者」のおそろしい一面が垣間見れた、といった内容でした。

以下が実際のツイートになります。なお、ツイート主はすでにTwitterを退会している模様です。

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というのが全容です。このショッキングな内容はまたたく間にRTの連鎖を繰り返し、多くの人の目に留まることになります。そして、彼に対しては励ましの言葉や温かい言葉がこれでもかとあふれんばかりに注がれるという、実に心温まる光景……のはずだったのですが、ゲイという当事者である私にとっては、どうしても違和感がぬぐえませんでした。

同じように感じた人は多いようで「これは創作なのではないか?」という声も次第に大きくなり始めます。

もちろん、創作であればむしろそのほうがいいと思っています。こんなひどい仕打ちを受けた仲間がいないで済んだ、ということになるわけですから。私個人としてはウソであってほしいと願っています。

そういった感情とは別に、わたしが違和感を覚えた部分をいくつか書き記すことで検証してみたいと思います。

文体があまりに似すぎている

アップロードされた画像は25年来の友人であったというA氏と、共通の友人関係でありホモが感染するものと思っているB氏、そして今回の被害者であるツイート主の3名です。

この3人の文体は、よくみると非常に似ていることがわかってきます。25年来の友人がホモだとわかり、嫌悪感を丸出しに怒っているはずのA氏ですが、顔文字や絵文字をはさむ心理的な余裕があることがそもそもちょっとおかしいですよね。

それに、25年来の友人であり、母親が70代後半ということは、このツイート主は40~50歳くらいなのではないか?と推測されます。当然、そのような長い付き合いの友人であれば、同年代であることが自然でしょう。社会に出てもずっと付き合う友人というのは、大学時代にできた友人であることが多いですよね。小中学生の頃の友人というのは、どうしても途中で疎遠になってしまいがちです。

20歳の頃に知り合って25年の付き合いであれば現在45歳。母親が75歳だとしたら30歳の時に産んだ子供。10歳の頃に知りあったとすると、今が35歳ということになりますから、母親が40歳の頃に生んでいるということになりますので……ちょっと高齢すぎるかなと。やはり、20歳の頃に知りあった友人というのが一番バランスがとれていると思われる予想年齢になります。

つまり45歳前後のおじさんが3人あつまっているわけなのですが、どれもこれも似たような絵文字や顔文字を使いこなしているわけで、年齢を考えるとピンポイントで3人が3人とも使いこなしているというのは不自然かなと思われます。

そして、なによりも特徴的なのは複数行にわたった文章に関しては、必ず最後に「。」をつけるというクセです。絵文字や記号で文章が終わっている場合を除いて、必ず文章の最後に句点がつけられています。これって、かなり特殊なクセだと思うんです。

試しに、自分のやりとりしているLINEをいくつか見てください。文章の最後にきっちり句点を付けて締める人って、なかなかいないと思いませんか?すくなくとも私の交友関係では文章の最後に必ず句点を付けるひと、というのはいませんでした。たまに気まぐれで句点がついている人はたくさんいたのですが、毎回きっちり100%つけている人となると、そういう人は一人もいなかったのです。

ツイート主はLINE上では一言しか送信していませんが、彼のツイートには最後にかならず句点がつけられていることがわかります。Twitterに関しても、毎回きっちり句点で締める人というのはかなり少数派ですので、この癖を持つ彼が3人分の文章を一人で書いたのでは?と思われるのです。

A氏とB氏の名前モザイクが完全一致

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時系列としてはまず25年来の友人であるA氏から断交を告げられ、その5時間後のお昼すぎにB氏からさらなる断交をつげられ……ツイート主が「今日はなんて日だ!」と叫ぶという流れになっています。

ということはこのA氏とB氏は間違いなく別人であるはずなのですが……名前を隠したモザイクの形が、完全に一致しているのです。これは、ほんとに完全に一致なんです。寸分の狂いもありません。なので、まったく同じ文字列でないとこうはならないと思われます。

たまたまA氏とB氏が同じ名前であった……という可能性もなくはないのですが、先ほどとりあげた似すぎている文体のことも考えると、やはりこれはツイート主が創作をするためにつくりあげた自作自演用のサブアカウントではないか?というのが自然な流れになります。

友人の結婚式のご祝儀が10万円!?

そして、多くの人に突っ込まれていたのがこの部分。いくら25年来の親友とはいえ、友人は友人です。友人の結婚式に普通、10万円もつつむでしょうか?相場では友人関係であればだいたい3万円ほどというのが多くの人の認識だと思います。昔からの親友ということであっても、せいぜい5万円くらいが関の山ですよね。10万円といえばもう親族だったり、何十年と勤務し続けている会社の社長だったりと、そんなレベルです。

ご祝儀というものはその性質上、これだけあげるから俺の結婚式の時は同じくらい返してくれよな、という意味合いも込められています。いってしまえば、いずれチャラにすることが決まっている借金のようなものです。なので普通は友人と思っていた人から10万円も渡されたら、かなり困ることでしょう。

「こんなにいただけません!」と後日、電話や手紙でなんらかのアクションを起こすはずですし、いただいたご祝儀が想定よりも遥かに多かった場合、差額を補填するような贈り物をするというのが慣例です。しかし、友人からのLINEをみるとそういったことは全く無く、当たり前のように10万円を受け取っている様子が伺えます。

まあ、人が結婚式でいくら包もうが、常識から外れていようが、それは個人の自由ですのであれこれ口をだすことではないのですが、今回に限っては「創作を疑わせるポイント」のひとつとして、これも挙げられると思います。

友人たちの反応が画一的でヒステリックすぎる

私もゲイであることをカミングアウトしたり、意図しないところからゲイバレしたことも、両方あります。その結果として、好意的な反応をもらったこともあれば、そうでない反応をもらったこともあります。割合としては……やはり、良くない反応をもらったことのほうが多かったですけどね。しかし、それでも理解を示してくれる人というのは必ずいました。

それに、今はLGBTという言葉がヤフートップにも載るくらいに皆の意識が高まり始めています。渋谷区なども同性のパートナーシップを行政が認めるなど、時代の流れは私たちにとっていい方向に向かっています。徐々にではありますが「LGBTを差別するのはかっこわるくて時代遅れ」という価値観が浸透し始めていることを私は実感しています。

ですが、このツイート主の「友人たち」というのは、皆が皆そろってヒステリックで拒絶的な反応を示しているのです。友だちが11人減ったということですから「ゲイだとわかった瞬間に断交を告げた」という人が11人もいたわけです。わざわざ向こうから「もうお前とは友だちを止める」というアクションがあったからこそ、11人も減ったと実感できるわけですから。

私の体験としては、あまりに状況がそぐわないんですよね。私がゲイバレしたときの友人たちの反応というのは、それは静かなものでした。本当にゲイに偏見を持っている人というのは、黙ってフェードアウトしてくことがほとんどです。連絡を取ろうとして、電話が繋がらない。メールアドレスが変わっている。そこでようやく、断交されたことに気づく、という流れです。

少なくとも私の友人には、わざわざメールで律儀に罵詈雑言とともに断交宣言をしてくるような人は一人もいませんでした。近しい人がゲイであることがわかった場合、多くの人は黙って離れていきます。中高生くらいの多感な年頃であれば「騙されていた!俺の身が危なかったかもしれない!」という感情に任せて暴言を吐いてくることは十分に考えられますが、このツイート主の場合はもう45歳位であることが想定されます。そんないい年した大人たちが揃いも揃ってわざわざ断交宣言のメールやLINEを送りつけるでしょうか?それも、わずか1日の間に11人が、です。

明らかにおかしいと言わざるを得ません。

創作であれば……なぜ、こんな創作をしたのか?

以上のポイントから、私としては、これを創作であると断言してもいいと考えています。さて、それでは、彼はなぜそんな創作をする必要があったのでしょうか?まず、このツイートが広まった結果として、多くの「正常者」から彼は励まされることになります。

  • こんな差別に負けないで!
  • 私はあなたの味方です!応援してます!
  • ひどすぎます!こんな偏見を持つひとがいるなんて恥ずかしいです……
  • 胸が締め付けられる思いです
  • あなたは何も悪くありません。理解しようとしない周りが悪いのです

と言った具合です。わたしもゲイのはしくれですので、こういった言葉を見ることは嬉しいことです。しかし、そういった言葉を引き出すために、LGBTの被差別者はこんなにかわいそうなんだよ、というアピールのためにこのLINEが捏造されたのだとしたら……?

私は怒りを覚えます。

そういう姑息な手段を使うからこそ、ますます差別の対象になるということがわからないのでしょうか。

今回の件はノーマルなノンケほど、こういった純粋な応援メッセージを送っており、ゲイやビアンのLGBT界隈の人からは、その真偽を問うメッセージが多かったのが特徴的でした。

ゲイの実態を知らないノンケにとっては悲劇のヒーローにうつったのかもしれませんが、ゲイの立場からしてみればあまりに不自然でお粗末な作り話でしかありませんでした。

その証拠に……といえるかはわかりませんが、このツイート主は件のLINE画像をアップロードした翌日にTwitterを退会しています。やましいことがなければ、そのまま続ければいいだけなのですが、このタイミングで退会されてしまってはやはり捏造だったのでは?という疑惑は加速するばかりです。

今回のゲイに限らず、Twitterには自己承認欲求を満たすためにつくり話をでっち上げる、という行為が日常的に行われています。こういう人たちにとっては、いかにRTされるかということが目的となっており、冷静に考えれば明らかに嘘だろう、という内容を平気で「実際に見たこと」という視点でツイートしてしまっています。

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おそらく、今回のゲイバレしたというツイート主も、同じような衝動にかられてしまったのかもしれません。どうせやるなら、もっと上手くやってくれればいいのに……とも思いますが(笑)こうしてアラがすぐに見つかってしまうような作り話は、LGBTにとってはなんらプラスにならなかったことでしょう。

ゲイがノンケに手を出してはいけない、という不文律は「ノンケに恐怖を与えて、ゲイ全体のイメージをダウンさせないため」というきちんとした理由があるわけです。セクシャル・マイノリティだからこそ、身を寄せあってお互いを守っていかなければならないのです。

その基本的なことを忘れてしまったがゆえの事件だったのかもしれません。戒めとして、このことは覚えておきたいですね。